相続登記をしないとどうなる?リスクとデメリット | とのさき司法書士事務所

相続登記をしないとどうなる?リスクとデメリット

相続手続きガイド

こんにちは。「とのさき司法書士事務所」代表の外崎です。

相続登記は、不動産の名義を変更する大切な手続きですが、「今すぐ必要じゃないから」と後回しにしていませんか?

この記事では、相続登記を行わずに放置した場合にどんなリスクやデメリットがあるのかを、司法書士の視点からわかりやすく解説します。

相続登記を放置するとどうなる?

相続登記を長期間行わないと、さまざまな問題が発生する可能性があります。

不動産を売却できない

名義が亡くなった方のままだと、売却手続きを進めることができません。いざという時に現金化できず、資産を活用できなくなるおそれがあります。

不動産を担保に融資を受けられない

金融機関では、名義変更されていない不動産を担保にした融資は基本的に受けられません。抵当権の設定ができないためです。

相続人同士のトラブルが起こりやすい

時間が経つにつれ、相続人の間で認識にズレが生じたり、意見が対立したりするケースも。協議がまとまらず、関係悪化に発展することもあります。

手続きがどんどん複雑になる

相続登記を先延ばしにしていると、相続人の転居・死亡などで関係者が増え、必要書類の取得も難しくなります。結果、費用と手間が増加します。

罰則(過料)のリスクがある

2024年の法改正により、相続登記は義務化されました。正当な理由なく3年以内に登記をしないと、不動産1件につき最大10万円の過料が科される可能性があります。

固定資産税や管理費で揉める

名義が被相続人のままでは、管理責任が不明確になりがちです。そのため、税金や修繕費などを誰が負担するのかでもめるケースもあります。

実際に起きたデメリット事例

ここでは、相続登記を放置したことで起こったトラブル事例を2つご紹介します。

相続人が増えすぎて話がまとまらない

あるご家庭では、親名義の不動産を登記せずに放置していたところ、10年後には相続人が10人以上に。最終的に全員の合意を取るのに数年かかり、不動産の売却も遅れてしまいました。

他の相続人の借金で差し押さえられる

別のケースでは、相続人のひとりに多額の借金があり、その債権者により相続登記未了の不動産が差し押さえられました。本来は家族の財産だったものが第三者に制限される結果となりました。

相続登記を早めに行うメリット

早めに相続登記を済ませることで、次のようなメリットがあります。

  • 不動産の売却・活用が自由にできる
  • 相続人どうしのトラブルを回避できる
  • 書類の収集や手続きが簡単に済む
  • 過料などの法的リスクを避けられる

まとめ

相続登記を放置すると、法的・金銭的・人間関係のトラブルに発展する可能性があります。

不動産をスムーズに活用し、トラブルのない相続を実現するためにも、できるだけ早く相続登記を行うことをおすすめします。

少しでも不安や疑問がある方は、お気軽に「とのさき司法書士事務所」までご相談ください。経験豊富な司法書士が丁寧にサポートいたします。